ホワイトハート　X文庫 | 今月のおすすめ｜講談社X文庫ホワイトハート

記憶を失ったお嬢さま育ちの少女と、魔法の契約にしばられた青年。ふたりの恋の運命は!?

裕福な資産家の家庭に生まれたお嬢さま。幼い頃から、社交界に備えて厳しい乳母と家庭教師のもとで育てられたため、同世代の子どもたちと遊ぶことが許されなかった。そのせいか、恵まれた環境にありながらも、心にいつも飢えがあり、その飢えを満たすために看護師になって働く道を選ぶことになる。

人間の言葉をしゃべる魔法のライオン「ギデオン」と契約を結んでいる謎の青年。アンゲリア王国にはめずらしい黒い瞳と黒い髪が特徴的で、西洋と東洋が入り交じったような神秘的な容貌をしている。抜群の運動能力で、サーカスの綱渡りとして働いている。

ある日のこと、戦場で傷病者を看病する若い看護師見習いは、敵の砲火を受ける。逃げ遅れて部隊とはぐれた彼女は死を覚悟するが、何者かによって救い出されることに。　時は聖歴二十世紀初頭、アンゲリア王国。裕福なクリマイヤー家で生まれたメリッサは、大勢の召し使いにかしずかれて、何不自由なくすこやかに育つ。　幼い彼女は避暑で訪れた伯父の館で、はじめてサーカスを目にし、綱渡りの青年リンドウと、人間の言葉を話す不思議な雄ライオン・ギデオンと知り合う。彼女は、無口でどこか影のあるリンドウと、猛々しくも優しいギデオンにすっかり魅了されてしまう。
	身分の差はあるとはいえ、その後もメリッサは避暑のたびに彼らと再会することを楽しみにしていた。しかしある時、メリッサはリンドウがまったく歳をとらないことに気がつく。実はギデオンには人間の望みを叶える魔力があり、リンドウは自分の家族を救うため、老いることを許されず彼に仕えることになったというのだ。　ギデオンの糧は肉でも草でもなく、人間の〝よろこび〟の感情。リンドウは人々をよろこばせるサーカスに加わることで、ギデオンへの対価をなんとか支払っていたのだ。　自分でも気付かないうちにリンドウへの想いを募らせていたメリッサは、彼と苦しみを分かち合いたいと願うようになる。そして、リンドウへ告白をするのだが……。
記憶を失ったメリッサは、王都で心うつろな生活を送っていた。そんな折、アンゲリア王国は同盟国で起こった資源戦争に巻き込まれてゆく。リンドウとギデオンの記憶を奪われながらも、メリッサの中には誰かの心に寄り添いたいという意志だけは残っていた。その思いに突き動かされ、メリッサは家族に黙って看護学校に入る。しかし戦況が悪化し、看護師見習いとして戦争に身を投じることになる……。

笑いあり涙ありのファンタジックコメディ！
腹ペコ少女が出会ったのは、
「こんなのアリ!?」のオシゴトだった！

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