講談社BOOK倶楽部

ホワイトハート X文庫 | 今月のおすすめ

『恋する俺様調香師』発売記念!

水瀬結月先生スペシャルインタビュー&知ってると100倍楽しめる♥香りの基礎講義

恋する俺様調香師 水瀬結月/著 六芦かえで/イラスト 定価:本体600円(税別)

水瀬結月先生がホワイトハートに初登場!香りがキーワードの本作『恋する俺様調香師』にちなんで、水瀬先生に香りに関する質問に答えていただきました。さらに、作品が100倍楽しくなる香りの基礎講義もお楽しみください。

本作が「調香師」「香り」がテーマになったきっかけ、いきさつは?
『攻が公衆の面前で受を抱きしめて「こいつは俺のもの!」と態度で威嚇しまくって、周囲はきっちり威嚇として受け止めて遠巻きにしているのに、受だけは「これには理由があるんだから、おれの恋心は知られちゃいけない……」なんて考えてしまう、すれ違いまくった人間関係を書きたい』というところが出発点でした。このシーンが違和感なく嵌る(力技で捻じ伏せられるとも言う)設定を探っていったところ、天才調香師に辿り着きました。
好きな香水やブランドは?
好きな香りは、マンダリンなどの柑橘系と、ブーケタイプのフローラルです。ブランドにはまったくこだわりがなく、香りと壜の可愛さで選びます。
ずばり! 男性の香りでお好きなものは……?
着物の男性と町中で肩がぶつかった時に、白檀の香りがふわんと広がったりしたらもう、それだけで恋が始まると思います。さらに、ぶつかったのが学ランの男子高校生で「今の匂いなんだったんだろ……」なんて後ろ髪を引かれながら、自分は汗臭くなかったかと腕をくんくんしだしたりなんかしたら、もう。ごちそうさまです。
つい「すんすん」嗅いでしまう匂いは?
干した後の布団です。ふっくふくの太陽の匂いに、ときめきます。
好きだけど、人にはちょっと言いにくい匂いは?
古書を開いた時の、ちょっとカビくさい紙の匂いがなんとも。
普段は香水をつけていますか?
身につけるよりも、小物に使うことが多いです。しおりなどにふりかけて、鞄に入れておいたりとか。
この作品を読みながら嗅いでほしい匂いは?
ぜひ、ご自身のお好きな香りを。身につけられるもよし、「○○(キャラ名)をこの香りに染めてやるぜ」と妄想するもよし、楽しんでいただけたら嬉しいです。
ホワイトハートに初登場! 何か気にかけたことはありますか?
はじめて拙作をご覧くださる方にも、楽しんでいただけるお話を書きたいなぁ、と気合いをたっぷり込めてみました!
創作意欲が高まる場所は?
お風呂の中。絶対に書けない場所、というのがポイントかもしれません。
先生ならではのパワースポットはありますか?
晴れの日の木蔭でしょうか。葉っぱが陽光に透けてるのを見ると、なぜか妙にパワーをもらえます。
趣味や、気分転換の方法は?
散歩と入浴です。
生活リズムは朝型? 夜型?
朝型です。以前は夜じゃないと書けないくらいだったのですが、年々、夜は眠いから寝る……と、欲望に忠実になってきました。
執筆時の愛用品、欠かせないアイテムはありますか?
水分をすごく取るので、マグカップが欠かせません。今は、オリエント・エクスプレスの車内で使われているモデルの、ジノリのマグカップを愛用しています。乗ってもいないのに、気分だけセレブに。
思わず萌えてしまう物や人は?
スーツです。スーツ最強です。
冴島のような俺様タイプと和のような天然タイプ、どちらにきゅんとしますか?
傍観者として楽しいのは、冴島タイプです。俺様で強引で傲慢な人が、唯一の相手にだけは頭が上がらないとか、きゅんとします。もっと振り回されるがいいよ。
天然くんは、スーツ姿なら、きゅんだと思います。普段はまったりお茶飲み友達で。
こんなテーマで書いてみたいなというテーマは?
冴島みたいな俺様攻が、ぎゃふんとなる話を書いてみたいです。
読者にメッセージを!
ホワイトハート様では、はじめてお目にかかります。水瀬結月と申します。俺様攻×天然受の組み合わせは、大好物のカップリングなので、とても楽しく書かせていただきました。一見なんの問題もなく交わされている会話の、勘違いとすれ違いっぷりに、ツッコミつつ萌えていただけたら嬉しいです。少しでも楽しんでいただけたら、幸いです。
知ってると100倍楽しめる 冴島(さえじま)&和(なごみ)的香りの基礎講義
冴島先生のお言葉 「トップノートはベルガモットだ。ミドルノートに変化したら、確認させろ。」(本文より)
香水は、調合されているいくつかの香料が揮発していく速さに差があるために、つけて時間がたつごとに香りが変化していきます。また、ひとりひとりの体温や、肌質の違い、汗の量などによっても香りは変化します。変化の様子をこの言葉で表現しています。

トップノート……つけてから30分ほど感じられる香り

香水をつけてから、短くて数分、長くて30分ほど感じられる。揮発性の高い、柑橘類や、ラベンダー、ミントなどの香料が多いようです。

ミドルノート……つけてから30分以降、2〜4時間ほど

その香水のメインの香りです。

ラストノート……2時間以降、香りが消えるまで

その香水と、つけた人自身の香りとが混ざり合い、オリジナルな香りとなっています。
このように、同じ香水でもつけた人によって3段階にわたり変化していく香水。和の体で試すこの変化が、天才調香師・冴島を虜にした結果……
「おまえ……。―――トップノートからのラストノートが予測不可能すぎだ」(本文より)
というセリフも飛び出すのですね。きゃー!
和くんのお言葉 「香水の種類や用途によって、つける場所は変わってきます。種類は……」(本文より)
香料の濃度や量によって、香りを楽しむ製品にもさまざまな種類があります。

  パルファン
持続時間 5〜7時間
  オードゥパルファン
持続時間 5時間前後
  オードゥトワレ
持続時間 3〜4時間
  オーデコロン
持続時間 1〜2時間
「最も軽いフレッシュコロンは香料の濃度が3%以下、オーデコロンは5%以下、オードトワレは10%以下、パヒュームは20%くらい――」(本文より)
と、さすが香料会社の社員、和くんも解説しております。
「……なるほど。香水は奥が深いね」(本文より)
しみじみと呟く、このお方は――??? 香りをめぐるいい男がまたしても登場
香水の基礎講義、いかがでしたか?意外と一途な俺様と、天然ちゃんが織りなすきゅんきゅんラブ『恋する俺様調香師』をどうぞご覧ください!