STORY
定価:本体720円(税別)
運命の相手とのめくるめく交歓。
その果てにあるものとは?
緑なす大地を育む『貴腐(きふ)』として生を享けたタカとリュウは、同じ魂を共有する特別な一対だった。先に雄性化したタカはリュウが体内で醸す精蜜を吸うことで飢えを満たし、リュウはタカに与えることで耐えがたい疼きを鎮める。互いを喰らって生きる彼らは文字通り、離れられない《対の絆》で結ばれていた。だが、タカは自然を破壊する人間たちを憎んだ。リュウはタカを止めようとして、最大の禁忌を犯すが――。
著者からみなさまへ
こんにちは。講談社さんでの新装版第2弾『新装版 対の絆(上)』です。当時はもうドシリアス一直線で、執着愛から始まる対等な関係の崩壊、からの再生という物語が書きたくてしょうがなかったのを覚えています。「信念と感情がぶつかりあってどうしようもない衝動に走る」というのが大好きで(笑)、上巻では、そういうリュウの葛藤と悔恨がメインになっています。一人称視点だとより深く心理描写を書き込めるのでガツガツ掘ってます……かな(笑)。