- 大賞
- 該当作品なし
- 佳作
- 「熱砂の女神」
彼方紗夜
「村人Aと傾国の英雄」
朝夜千喜
佳 作 講 評
「熱砂の女神」
彼方紗夜
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世界観が明確で、市場のシーンや食事などの情景描写が上手だと思いました。構成はまだまだ改良の余地があると思います。読者は一文一文を読まないと展開がわかりません。作者はそれをよくよく踏まえて、人物の登場や描写を的確に行ってください。(O)
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最初の10ページくらいで後の展開が殆ど読めてしまい、最後まで予想外の驚きというものに出会うことが出来ませんでした。主人公はもちろん、登場人物の人物像をもう少し深くまで掘り下げてもらえていたら、もっと楽しく読めたかもしれません。(F)
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二人結ばれるのに時間かかりすぎる。設定は細々用意されていて飽きさせない。が、そちらが慌ただしく人物の描写がまだ足りないので深く表現してほしい。主人公がもっと運命的な物を抱えているとより良い。(Y)
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アラビアン的王道設定、予想を裏切らない展開、ベタすぎるほどベタ、という意味で非常に安定した作品。読者が好む要素がひととおり入っているので、安心して読み進められるのですが、それほどまでにサービスに満ちた物語でありながら、メインのふたりがキャラクターとしての魅力に欠けるのがなんとも残念。(H)
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アラビアンの世界観は魅力的だが、初出のキャラや設定の説明不足が目立つ。ヒロインの恋、側近の裏切り、叔母の策略など、ストーリー展開を丁寧に描いて欲しい。毒というアイテムの使い方や悪役をもっと魅力的に描いてドラマを盛り上げて欲しい。(K)
「村人Aと傾国の英雄」
朝夜千喜
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状況、世界観の説明の文体がこなれていないのと長すぎるために、物語の冒頭や会話の途中で展開されると、シーンまで飽きてしまう。魔人が動物に擬態している状態での喋り方に工夫があるため、誰がしゃべっているのかがわかりやすい。設定について。特殊能力は「大抵の場合五歳までに発現する」としているのに、メインキャラの能力発現は結婚して子供を授かってからと書かれると「?」と思ってしまう。このジャンルでは設定も面白さの一つなので気をつけて使ってもらいたい。(O)
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それぞれの登場人物にきちんとドラマがあり、キャラが生きているなと感じました。主観ですが、ヒール(悪役)が魅力的な作品はだいたい面白い。その意味では最高でした。(F)
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設定は良いが、誰に焦点を当てて読んでほしいのかがわかりにくい。物語に先んじて人物の考えを表現してしまうのはもったいないので避けたほうがよい。(Y)
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キモとなるどんでん返しのネタは、定番とはいえ楽しく読める。物語のスケールが大きいのに、そこを生かしきれずスカッと感が薄まっているのは惜しい。もう少しストーリーを整理して、メリハリをつけたいところ。キャラクターは総じて魅力的に書けていて、読後感も良いです。(H)
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話にひきこまれた。勢いよく読ませる筆力を感じるが、特に前半は軽く落ち着かない印象。ネタバラシ後の展開とのギャップがあるのはいいが、前半はもう少し落ち着いたトーンでもよさそう。異国ファンタジーのわりにところどころ現代的なので、世界観を細部まで作り込んでほしい。続きを読みたくなる作品。(K)
最終選考作 講 評
「スキル捜査官」
来栖みさ
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謎解きと特殊能力設定とエロがほどよくブレンドされており、文章力もあるので終わりまで一気に読み進めることができる。しかし、既視感のある設定と物語に対して特殊キャラが多すぎるため消化不良をおこしてしまった。また、医療にまつわる設定でだいぶ現実的には無理な描写があり、せっかくの世界観が薄められてしまったのが残念。(O)
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あまりこうしたジャンルの作品は読まないのですが、テンポよく読むことが出来たように思います。メインの2人についてはしっかり掘り下げられていたし、綺麗にまとまっている印象を受けました。一方で、折角の5人チームなのに残りの3人の描写が少なかったのは残念です。(F)
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作品創りに積極的なのは好ましい。コミカルに行きたいかシリアスにしたいのか。設定は良いので、人物にも個性をもう少し加えてほしい。BLではない方がもっと人物が生かせるのでは?(Y)
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設定にひねりのあるBL。描き慣れていて完成度も高い。特殊能力を有した警察チームというつくりは面白いが、メインカップルふたりに焦点があたりすぎて、事件や集団が描ききれていないように感じた。あまり欲張らずに、いっそメインふたりだけが特殊能力を持っているとした方が、ストーリーは明快だったかもしれない。(H)
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警察の特殊能力部署という既視感のある設定なので、特殊能力の内容以外に独自の違いを出せるといい。作り込まれた事件と恋のバランスもよかった。(K)
「青い羽にのせる希望」
白瀬いずみ
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メインキャラである「青羽守」がどんなビジュアルなのかがわからず、そのキャラが弱すぎたためファンタジーとして読ませるには厳しい。ご都合主義的な描写が出てくるのももったいない。文章力があるので細部をきちんとつめて構成してほしい。(O)
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非常にラノベっぽい作品という印象です。主人公が魅力的で、周りに特徴的なキャラがいて……。ストレスなく楽しむことが出来ました。強いて言えば「女王」の正体が序盤から分かり切っているのがちょっと勿体なかったかも。(F)
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物語の流れがわかりやすくて良い。が、キャラクターと物語の必然性が弱い。全体的に言えることだが、設定の表現や進行に引きずられるよりも、人物をもっと丁寧に描くことに注力してほしい。(Y)
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文章が圧倒的にうまい。そのため、人物描写もストーリー展開も無難で読みやすかった。技術的にマイナスがほぼ見つからない作品なのだが、優等生なつくりであるがゆえに、読んでいるときの登場人物への没入感が薄く、どこに球を投げているのか、どのあたりの読者に刺さるのか、が不明瞭になってしまったのがもったいない。(H)
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文体も読みやすく引き込まれる。が、鍵となる青羽のビジュアルが読んでいてコレ!とイメージできないのがファンタジーとして痛恨。主人公の印象がブレるので、自分を最高の天才だと思っている生意気で魅力的なクソガキ設定を徹底し、さらにそこから肉付けをして掘り下げてほしい。(K)
応募作品一覧
- 「亭主ファースト」
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- 「黒猫と悪魔の小さな鍵」
- 「女帝――運命の花を咲かせる乙女」
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- 「虹の乙女」
- 「夢駆けの魔女と皓月の狼」
- 「予言の国 ~女神の祝福と災厄の子~」
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- 「YOU AER HOPE」
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- 「囚われ姫は吸血鬼」
- 「福寿探偵事務所」