講談社BOOK倶楽部

ホワイトハート X文庫 | 今月のおすすめ

銃弾飛び交う世界で新たな恋がはじまる!

ダイヤの国のアリス~甘いピンクと恋のチェス~

市川しんす 著Quin Rose 原作・イラスト

Quin Rose原作の大人気ゲーム「アリス」シリーズの新刊がいよいよ登場です!今回の舞台は〈ダイヤの国〉。アリスはふたたび「引っ越し」に遭遇し、突然ダイヤの国へ飛ばされてしまうことになるのですが、いったいどんな展開が待ち受けているのでしょう? 気になる内容について、アリスとナイトメアがナビゲートしてくれます!
まったく……どうして私ばかりこんな目に遭わなきゃないのかしら……。やっとクローバーの国に慣れたと思ったら、いきなりダイヤの国に弾かれてしまうなんて
相変わらずツイてないな、アリスは。いや、そんなこともないぞ。この私と出会えたのだからよかったではないか。なにしろ私は駅長で夢魔で、ものすごく偉いのだ!
……そうね、そうよね。でも、あなた子供になっちゃってるじゃない。しかも駅長だっていうから驚いちゃったわ。駅はこれまでの国にはなかった領地だし
駅はすばらしい領地なのだ。何より、アリスの想い人はここの住人ではないか
あは……さりげなく本題に入ったわね。まあそうとも言うんだけど、その話題はちょっとあとにして、まずはダイヤの国の領地について、少し教えてくれないかしら?
うむ。アリスもなかなか切り返しが上手くなったな
あら、子供のあなたも相変わらず偉そうね
当然だろう。実際、私は偉いのだ
はいはい……偉大なナイトメアさん、ダイヤの国について教えてくださいな
いいだろう。ダイヤの国にはだな、ダイヤの城、帽子屋屋敷、墓地領、駅の4つの領地があるのだ。といっても、わが領地の駅がもっとも優れているのは言うまでもないが
そういうことにしておくわ。でも、正確には測量会で各領地の評価が決まるのよね?
そうだ。あの末恐ろしいクリスタ女王陛下が開催する測量会で、われわれの領土の力関係が決まるわけだ
女王様、悪い人じゃないわよ。お気に入りのものを凍らせちゃうっていうのは私の趣味じゃないけど
アリスは凍らされないように、自分の心配をしたほうがよいと思うがな
それはそうね……。だけどショックなのは、この国のみんなが私のことを知らないってことよ。今まであんなに仲良くしてたのに
ダイヤの国にも帽子屋屋敷があると聞いて、たしか君は大喜びしていたな
でも、行ってみてびっくりよ。ブラッドは滞在を許可してくれてそれなりに優しいんだけど、エリオットも双子たちも私を諜報者扱いするんだもの。やってられないわ
それにはだな、まあこの世界の事情というのがいろいろとあってだな……。それより、今回の物語はどう進むのだ? まさか私をないがしろになどしていないだろうな
あのね、言っときますけど主人公は私ですからねっ。子供のあなたも人の心を読むようだけど、ストーリーまでは読み切れないのね~
なっ、いつからそんなに強気キャラになったのだ!?
だって、みんな冷たいんだもの、強気にもなるわよ
……ふむ。それで、あのチェシャ猫になびいたというわけか……
ち、ちがうわよ。ボリスはね、すごく優しいのよ。チェスの相手だってしてくれるし
チェスごときでなんだ。気まぐれなあいつのことだ。どうせ落ち込んでるアリスの前にフラッとやってきて誘惑でもしたんだろう
そんな聞こえの悪いこと言わないで! 猫なんだもの、気まぐれだっていいじゃないっ!!
まあまあ落ち着けアリス。いずれにせよ、ふたりの展開がどうなるかは本編でのお楽しみというオチなのだろう?
夢魔だけあって、よくわかってるじゃない
当たり前だ。子供だからといって馬鹿にするのもほどほどにしないとっ……ゴホッ、ゴホゴホゴホ……ッ
あああ、ホントにお決まりのパターンね。ご覧のとおりですので、みなさま続きはどうぞ本編で
こっ、こんなエンディングは納得がいかないぞ! 私はとてつもなく偉くて優秀で……ゴホッゴホッ!
そうそう、偉いんだから、お薬もちゃんと飲めるわよね
……飲める
ではみなさま、今回の物語も楽しんでくださいね!
楽しいに決まっているだろうっ……ゴホッ
子供のあなたも、性格はまるで変わらないわね
うるさいっ
『ダイヤの国のアリス ~甘いピンクと恋のチェス~』をどうぞお楽しみください!