ホワイトハートには久々の登場となりました。今のお気持ちは? 生まれ育った古巣に戻ったようでうれしいです。 今回の舞台をカスティーリアにしたきっかけは? 今回の場合、最初に浮かんだ情景が「修道院にひとりで幽閉された姫のところに、ある日突然迎えが来る」というものでした。「いったいこの姫は誰?」ということで、西欧史の資料をあれこれぱらぱらしているうち、カスティーリア王国のイサベル女王が幼いとき、修道院にひとりで幽閉されていたという史実を知りました。そこから史実を絡めた物語づくりが始まりました。ヨーロッパと地中海あたりが舞台の話をずっと書いていたのに、スペインは書いていませんでした。でも、実はスペイン好き(特に食べ物♪)。今回舞台にできてとてもうれしかったです。 ベリータとアロンソにモデルはいますか? ベリータは少女時代のイサベル女王がモデルです。アロンソは……。実は、アロンソの弟のゴンサロがスペインでは有名な将軍で、あちこちに銅像とかあるんです。で、資料でゴンサロが「次男坊」とあったので、お兄さんがいるんだろうなーって思って、勝手に創作してみました。実際のエンリケス家の長男がどんな人だったかは……? 書いていて楽しかったシーン、また、苦労した点は? 前半、じっとしていられないベリータ王女と、冷ややかな理性派アロンソの色気のない掛けあいは楽しかったですね。苦労したのは、歴史的な背景をどこまで詳しく、かつ、わかりやすく書くかかな。 「王女」のベリータには尊敬を、「ばか」なベリータには共感をしました。 自慢:電車の中や病院の待合室なんかで小さな子といっしょになると、必ず懐かれて笑いがとれる。 歴史好きの榛名先生ですが、一番好きな国や年代は? ルネサンス以前の地中海沿岸ならいつでもどこでも。好きなのは、どうしてなんでしょう。苦手なのは漢字圏……(単に漢字が苦手だというだけ)。 小説の題材はどんなところからインスピレーションを得ていますか? 図書館で歴史本をぱらぱらしたり、テレビの旅番組や歴史番組でおもしろいなあと思ったものを検索したり……。でも、ぼうっとお皿を洗っていて思いついたものが、一番おもしろかったりするんですよね(笑)。 下巻の見どころを教えてください。 下巻では、アロンソが王女ベリータの夫となる王子を、命がけでベリータのもとへ連れてこようとします。ベリータのアロンソへの切ない恋心は……そしてこの高貴な三角関係が生み出す王女ベリータの運命は? って感じでしょうか。 読者へメッセージをお願いします。 一冊完結のつもりが、久しぶりのホワイトハート&池上先生のイラストとあって力が入り、気がついたら上下巻になっていました(笑)。15世紀のカスティーリアを舞台にした歴史物語二冊組、楽しんでいただければ嬉しいです。 |