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ホワイトハート X文庫 | 今月のおすすめ

『熱砂の檻からはばたいて』刊行記念・著者、佐々木禎子先生インタビュー 『熱砂の檻からはばたいて』 ホワイトハート「ドロップアウト」・「ブレイクアウト」シリーズが好評な佐々木先生。7月刊は、佐々木先生はじめてのアラブものです。新作刊行にあたって佐々木先生のボーイズ・ラブへの想いと、この作品の読みどころなどをお聞きしました。(聞き手・編集部)
1 佐々木先生が、小説を好きなったのは、どんな作品からでしたか?
  親や親戚の家の本棚にあった有吉佐和子さんや北杜夫さんからスタートしてます。親世代の古い作品をちまちまと読んでました。
北さんの「奇病連盟」や「さびしい王様」のシリーズが大好きでした。
2 ボーイズ・ラブといわれるジャンルを意識し始めたのはいつごろ?
  大人になって以降、会社の同僚がその趣味の人間で、本を貸してくれたのが、はじまりでした。
3 はじめて書いたボーイズ・ラブ作品を教えてください。
  「小説JUNE」という雑誌に投稿したのがはじめてでした。
厳密にはボーイズ・ラブ作品ではなく、強姦の通信教育を受けて魅惑のテクニックを取得した、強力な主人公男子がさまざまな男子をそのテクで屈服し、強姦ですら和姦へと変えてしまうという、そんな妙なお話だったと思います。
いま思えばまったくボーイズラブじゃないしJUNEでもない。
しかし書いてる私は本気だった。
4 ボーイズ・ラブで、佐々木先生が描きたい、表現したいこととは?
   人が人に惹かれ、好きになること。
そこでさまざまな化学反応的なことが起こり当事者たちが変化していくこと。
5 佐々木先生の理想の男子は(あくまで小説内で)。
  「受け」とされる側は天然で我儘な人のほうが好きです。
「攻め」とされる側は根気があり努力家で包容力がある人が好きです。
両方、あくまで小説内でのことで、各々の性格というよりそういう組み合わせのふたりが私は好きな傾向があり、なのでそういう人たちを書くことが多いように思います。
あと働かない人は好きじゃない。学生だったら勉強し、サラリーマンだったら仕事して欲しい。それだけは私には大事かも。
6 ”妄想”という言葉で連想することは。
  ブラックホール。
7 『熱砂の檻からはばたいて』の読みどころを教えてください!
  環境や文化や身分の違うふたりが愛ゆえに互いに歩み寄り、相手のために自分がどうしたらいいのかを思い悩む葛藤と、それでも相手の側にいたいのだと恋に走ってしまう熱量とを感じていただければと思って書きました。
うまくその部分が伝わっていればと願っています。
『熱砂の檻からはばたいて』主要登場人物
弓槻芳人(ゆみつき・よしと)  弓槻芳人(ゆみつき・よしと)  ナイジェル・アル・ハジム  ナイジェル・アル・ハジム 
28歳。若くて落ち着いて見える外見、背丈さえ足りればモデルとして通用するほどの美貌。性格は生真面目でクールでちょっととっつきずらい。女性にはいまいちもてない。イベント企画会社「アルファナビゲーション」勤務。突然バルファード国の国際会議の運営のチーフに指名される。 バルファード王国第一王子。留学中のイギリスで芳人と知り合い関係を結ぶが、クーデターがおき、芳人を残して国に帰り音信不通に。8年後、突然芳人を会議の運営役として指名、強引にバルファードへ連れて行く。傲岸不遜、他者を思うように引きずる強引さが魅力。
(イラスト・佐々木久美子先生)