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- 貧乏神
(びんぼうがみ)
- 一見、高貴な美貌の青年。ゴージャスな雰囲気を漂わせている。実は清貧国の王子で父は国王、母は王妃。他にも一族がいるらしい。味噌の匂いが大好物。貧乏神を怒らせると「大富豪になる呪い」をかけられる。
- 《岡野先生のコメント》
- 「今、呪ってほしい神様ナンバーワン」だったりします。ちなみに、貧乏神を追い払う方法は諸説ありますが、焼いた味噌を皿状にして家の中をまわり、その皿を二つに折って川に流すというのが一番簡単なのではないかと思います。明治十年頃まで、大阪の船場の商人の家で実際に行われていたそうです。本文中では、味噌を塗った焼きお握りを折敷(おしき。薄い板で作った角盆)に乗せて川に流す方式をとっています。取材旅行に行くたびに、ご当地の味噌と川のチェックは欠かしません。
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- 萬屋宗右衛門
(よろずやそうえもん)
- 妖の町、累町の豪商。頭部が新鮮な鯖、首から下が人間の姿をした「陸魚」という妖。なぜか諏訪雪彦の人柄に惚れこんでいて、玉屋にかぎっては損得ぬきで商売している。魚呼ばわりされることを極端に嫌っているので、宗右衛門の目の前で「鯖寿司」「鯖折り」「光りもの」などの言葉は禁句である。
- 《岡野先生のコメント》
- 私も目の前にいたら、笑わない自信がありません。ちなみに、宗右衛門は顔に似合わず、けっこうな美脚の持ち主です。
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- 白猫急便
(しろねこきゅうびん)
- 人の世界と妖の世界を行き来する妖の宅配業者。配達員は、すべて瑠璃色の目の白猫である。昼間は昼寝をしていて配達が遅れるというリスクはあるが、都会の真ん中にいても目立たないという利点があるため、玉屋では主に白猫急便を利用している。配達員の機嫌がよければ、たまに触らせてくれることもある。
- 《岡野先生のコメント》
- 白猫急便には、忘年会も新年会も社員旅行もあります。福利厚生も充実してます。配達中によその猫と喧嘩して怪我をした時は、労災あつかいになります。会社でも、寒い時はくっつきあって猫団子になっています。
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- 虎猫急便
(とらねこきゅうびん)
- 白猫急便の後追いで出てきた宅配業者で、安さが売り。ただし、荷物の紛失が多く、評判はよくない。
配達員はすべて虎猫。たまにマジックで縞を描いた白猫が混じっていることもある。
- 《岡野先生のコメント》
- 最初の設定ではリストラされた人間をだまして借金を背負わせ、虎猫の姿にして無理やり働かせる悪徳企業でしたが、最終的には猫だけの会社になりました。悪徳企業ではあっても、従業員の食事と毛繕いのあいだは邪魔をしない猫ルールを遵守しています。配達員と仲良くなると、蝉をくれることもあります。
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