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ホワイトハート X文庫 | 今月のおすすめ

接吻両替屋奇譚シリーズ第4弾 恋人は失踪中!?発売記念 互いの思いが早わかり!「人物相関図」&今、あかされる創作秘話「岡野先生インタビュー」 恋人は失踪中 著者:岡野麻里安 イラスト:穂波ゆきね 定価:本体690円(税別)
互いの想いが早わかり!接吻両替屋奇譚「人物相関図」 互いの想いが早わかり!接吻両替屋奇譚「人物相関図」 互いの想いが早わかり!接吻両替屋奇譚「人物相関図」 互いの想いが早わかり!接吻両替屋奇譚「人物相関図」 「接吻両替屋奇譚」に登場する妖たち!
  貧乏神   萬屋宗右衛門   白猫急便   虎猫急便  
 
貧乏神
(びんぼうがみ)
一見、高貴な美貌の青年。ゴージャスな雰囲気を漂わせている。実は清貧国の王子で父は国王、母は王妃。他にも一族がいるらしい。味噌の匂いが大好物。貧乏神を怒らせると「大富豪になる呪い」をかけられる。
《岡野先生のコメント》
「今、呪ってほしい神様ナンバーワン」だったりします。ちなみに、貧乏神を追い払う方法は諸説ありますが、焼いた味噌を皿状にして家の中をまわり、その皿を二つに折って川に流すというのが一番簡単なのではないかと思います。明治十年頃まで、大阪の船場の商人の家で実際に行われていたそうです。本文中では、味噌を塗った焼きお握りを折敷(おしき。薄い板で作った角盆)に乗せて川に流す方式をとっています。取材旅行に行くたびに、ご当地の味噌と川のチェックは欠かしません。
 
萬屋宗右衛門
(よろずやそうえもん)
妖の町、累町の豪商。頭部が新鮮な鯖、首から下が人間の姿をした「陸魚」という妖。なぜか諏訪雪彦の人柄に惚れこんでいて、玉屋にかぎっては損得ぬきで商売している。魚呼ばわりされることを極端に嫌っているので、宗右衛門の目の前で「鯖寿司」「鯖折り」「光りもの」などの言葉は禁句である。
《岡野先生のコメント》
私も目の前にいたら、笑わない自信がありません。ちなみに、宗右衛門は顔に似合わず、けっこうな美脚の持ち主です。
 
白猫急便
(しろねこきゅうびん)
人の世界と妖の世界を行き来する妖の宅配業者。配達員は、すべて瑠璃色の目の白猫である。昼間は昼寝をしていて配達が遅れるというリスクはあるが、都会の真ん中にいても目立たないという利点があるため、玉屋では主に白猫急便を利用している。配達員の機嫌がよければ、たまに触らせてくれることもある。
《岡野先生のコメント》
白猫急便には、忘年会も新年会も社員旅行もあります。福利厚生も充実してます。配達中によその猫と喧嘩して怪我をした時は、労災あつかいになります。会社でも、寒い時はくっつきあって猫団子になっています。
 
虎猫急便
(とらねこきゅうびん)
白猫急便の後追いで出てきた宅配業者で、安さが売り。ただし、荷物の紛失が多く、評判はよくない。
配達員はすべて虎猫。たまにマジックで縞を描いた白猫が混じっていることもある。
《岡野先生のコメント》
最初の設定ではリストラされた人間をだまして借金を背負わせ、虎猫の姿にして無理やり働かせる悪徳企業でしたが、最終的には猫だけの会社になりました。悪徳企業ではあっても、従業員の食事と毛繕いのあいだは邪魔をしない猫ルールを遵守しています。配達員と仲良くなると、蝉をくれることもあります。
 
今、明かされる創作秘話!!岡野麻里安先生インタビュー!
Q1「絆」と「キス」を妖の小判に両替するという玉屋が舞台の『接吻両替屋奇譚シリーズ』。何とも不思議な設定ですが、どんなところからこの着想を得たのでしょうか。
A もともと、何かお店を舞台にしたお話を書こうと思っていました。悪徳商人と美少年のお話がいいなと思っていたので、金融関係にするのは最初から決めていました。
 ただ、初期の段階では玉屋の主の諏訪雪彦は妖にするつもりだったので、妖が欲しがるものは普通はお金じゃないだろうと……。人間の寿命や魂は定番すぎるし、主人公側のキャラがダークな属性を持つのもあまりよくないので、いろいろ考えた結果「絆」になりました。「キス」はなんでかなあ。「絆」ほど切実ではないけれど、なくすとつらいものということで、「キス」になったのかもしれません。最初に考えたお話では、「贅肉」や「小皺」を両替してくれる妖の両替商も出てくる予定でした。
Q2玉屋のメンバーで、岡野先生が一番好きな(書き易い?)キャラクターは誰ですか。
A 一番好きなキャラは一人には絞れないんですが、一番書きやすいのは鷹宮征人です。私のキャラのなかでは硬派な美少年という、ちょっとめずらしいタイプですけれど。
 四巻にもなると、玉屋のメンバーも勝手に動くようになり、誰が書きにくいということはなくなりました。でも、その中でも鷹宮はわかりやすくて、まっすぐで、隠しているつもりでも、すぐ顔に出るあたりが書いていてとても楽です。
 同じくらい楽なのは紅蓮児かな。能天気でがさつなように見えて、一番空気を読むタイプなので、実は玉屋の潤滑剤です。逆に空気を読まないのは、羽生要です。
Q3シリーズを通して、岡野先生が一番気に入っているシーンはどこですか。
A 四巻の屋形船で夕暮れの川を渡って、妖の町、六部町に入るシーンです。人間界から妖の世界という異界に入るところは、毎回、書いていてわくわくします。
かならず「暗い場所をとおる」か「水を渡る」かして、境界を越えていくイメージを出すようにしています。
Q4最後に、このシリーズを愛読してくださっている読者の方々に一言!
A いつも応援してくださって、ありがとうございます! みなさまからのお気持ちのこもったメールや私のHP「猫の風水」の掲示板の書き込みなどにはいつも勇気づけられ、励まされております。
 いただくご感想のなかで、八雲泉と諏訪雪彦への応援のお声はもちろんですが、鷹宮征人へのご支持が多いことに驚いています。
 この先、泉たちがどういう場所にたどりつくのかはわかりませんが、それぞれのキャラたちがみなさまの納得のいくような形で幸せになれるように、できるだけがんばっていきますので、どうぞ最終巻までおつきあいくださいね。
既刊本紹介
恋人は悪徳商人!?
接吻両替屋奇譚
恋の残高ゼロ!?
接吻両替屋奇譚
恋のランク査定中!?
接吻両替屋奇譚
恋人は悪徳商人!? 接吻両替屋奇譚 恋の残高ゼロ!? 接吻両替屋奇譚 恋のランク査定中!? 接吻両替屋奇譚
定価:本体660円(税別) 定価:本体690円(税別) 定価:本体660円(税別)