今回、金曜紳士倶楽部がついにフィナーレを迎えました。
代々有能な政治家を輩出してきた名門の御曹司・東郷鷹也(とうごうたかや)、鷹也
の秘書であり恋人でもある篠宮千歳(しのみやちとせ)、大日方グループの若き青年
実業家・大日方稀一(おびなたきいち)、日本舞踊藤莢流宗家の花・勧修寺凛(かじゅ
うじりん)、闇のフィクサーとも噂される金森老を祖父に持つ名家の御曹司・金森拓
海(かなもりたくみ)、指定暴力団佐久間組の次男でも自らも金融会社を経営する佐
久間京介(さくまきょうすけ)。
『金曜紳士倶楽部』とは、この6人が金曜日の午後、お茶でも飲みながら優雅な時間
を過ごそうと始めたものだったのですが…… メンバーが揃ったとき、新たな事件が生まれ、そして解決されることに!?
自分たちが持つ才能、知力、財力、そして時には権力を使い事件を解決へ導く、華
やかで大胆不敵な『金曜紳士倶楽部』の世界を著者である遠野春日先生のコメントと
ともにお楽しみください!
この度、遠野春日先生にインタビューに答えていただきました。みなさんの聞きたかっ
たこと、知りたかったことはあるでしょうか? さあ、どうぞ。
- ●『金曜紳士倶楽部』を書き始めたきっかけはなんでしたか?
- 打ち合わせの際「今度の作品は少なくとも5巻以上のシリーズで」というお話をいた
だいておりましたので、メインの登場人物を多くして、連作形式で軽やかな事件を重
ねていく話を書こう、ということになりました。どうせなら派手にいきたいというこ
とで、主人公たちは桁違いの金持ちというドリームな設定に。その中で平然と交わさ
れる非庶民的な会話が書きたかったというのがきっかけです。
- ●印象的な登場人物が大勢出てきますが、バイプレイヤーとしてもっとも印象に残っ
ている登場人物は誰ですか?
- エイスケかな。彼を主人公にして書くのは私には難しすぎますが、もっと出してあげ
たいキャラクターでした。あまり深く掘り下げていないのでまだまだ謎だらけ。神出
鬼没のキャラとして今後もどこかでひょいと出したい気がします。
- ●エイスケについて知りたい人は『踊るパーティーと貴公子 金曜紳士倶楽部(3)』
を要チェックですよ!
- ●金曜紳士倶楽部のメンバーになれるとしたら、どの人物になりたいですか?
- うわー、誰でしょう。皆それぞれに違うので迷います。一番身近なのはやはり千歳で
すが、千歳になると恋愛面で悩んで辛そう(笑)。鷹也は油断のならないツンデレ男
だと思うので。トータル的に考えると、なってみて落ち着けそうなのは稀一でしょう
か。
- ●書いてみようと思ったけどやめた設定、事件などありますか?
- 京介はもっと遊んでいる設定にしようかなと思ったのですが、BL的配慮から実は最
後の一線は越えない程度の遊び方だった、としたあたりはあります。あと、当初は1
巻目で京介が不在だった理由の「組関係の事情」に関した話も書くつもりでいたのが、
時間が経ちすぎていつの間にか忘れていました(汗)。今思い出して軽くショックを
受けています。
- ●シリーズが完結しました。読者さんへの言葉をお願いします。
- 2003年に始まったシリーズ、5年間もお付き合いくださいましてありがとうござ
いました。
ホワイトハートさんでの初仕事だったこのシリーズ、今あらためて考えてみても、こ
のレーベルで執筆するのが一番合っていたのではと思います。
6人それぞれ書いているうちに愛着が湧いてきていて、手放すのが惜しいキャラばか
りです。また、茅島氏という私の古くからの馴染みキャラを特別出演させることをな
んの躊躇いもなくOKしていただけて(両社さんとも)非常にありがたく、個人的にも
楽しんで書かせていただきました。
大人数のキャラクターをまんべんなく動かすのは本来の私の様式ではなく、正直大変
なところもありましたが、無事完結させられて本当に嬉しく思っています。
最後まできっちり書かせていただけましたのも、読者様の応援のおかげです。どうも
ありがとうございました!
みなさん、特集はいかがでしたか?
これまで気づかなかった新たな魅力を見つけたのでは?
読むと虜になる『金曜紳士倶楽部』、あなたのなかでもう一度、楽しんでみてください!