ホワイトハート　X文庫 | 今月のおすすめ｜講談社X文庫ホワイトハート

恋愛小説家はメイド!?　レディ・ジュエル物語入皐(いり・さつき)/著池上紗京/イラスト定価：本体600円（税別）

お待たせいたしました！　入皐先生の作品がいよいよホワイトハートに登場です。甘くてコミカルで、ちょっぴりスリリングな物語を飾る魅力たっぷりのキャラクターたちを、入先生がじきじきにご紹介してくださいます。今回は特別に、池上紗京先生のイラストラフも合わせて一挙公開です！

　舞台は、古（いにしえ）に使われていたロザリオのような形をした美しい島国——テトラクロス帝国の首都ルビーホウル。天使や悪魔の伝説が今も息づき、不老不死の力があるといわれる聖杯伝説がまことしやかに語られています。
　主人公のクレアは、慣れない都会でスリにあい、一文無しになったところを金髪碧眼のイケメン紳士デュランに拾われます。お菓子メイドとして雇われたクレアでしたが、待ち受けていたのは予想外の大仕事！　なぜか覆面恋愛小説家「レディ・ジュエル」を演じるべく猛特訓を受けることになります。
　そしてある晩、事件が発生——。ふたりの隠された運命が動き出すことに!

クレア・ラッセル: 田舎から出てきて、都の奉公人学校のハウスメイド科を卒業した小柄な少女。明るく元気で人を和ませる性格ですが、己に自信を持てない一面が。体型が使用人向きではないということから仕事先が見つからず、途方に暮れている時にデュランと出会います。彼の城でお菓子作りメイドとして働くと同時に、少女小説家「レディ・ジュエル」として貴族たちが集うきらびやかな社交界にデビューをするという無茶な契約を交わしてしまうことに。そして、ある事件に巻き込まれていく中で、本人も気づいていない秘密が明らかになっていきます！

デュラン・ルイス: 優雅な古城に住まう王子様のような謎の美青年。クレアのご主人様です。その正体は、実は乙女たちの人気を一身に集めたロマンス小説家の「レディ・ジュエル」。ですが、彼は「可憐でキュートな女の子作家」としてデビューしてしまったがために、覆面作家としての苦労を背負うことになります。無類のお菓子好きで、お菓子ほしさに横暴な振る舞いをすることも。クレアにも、そうした我がままぶりを発揮して困らせます。女性の扱いには長けているはずなのに、なぜかクレアに対してはどぎまぎしてしまう……???　そんな彼の真実の姿は――。

エリザベス・グレアム: グレアム出版社の社長令嬢。レディ・ジュエルの担当編集者であり、デュランの親友。デュランを覆面作家に仕立て上げた張本人です。聡明で美しいけれど、実は裏社会にも顔がきくほどの有力者。クレアをレディに仕立て上げるために猛特訓してくれるのはよいけれど、おかげでクレアはヘトヘトに……。誰もが逆らえなくなるような圧倒的な存在感で、社交界の特殊な殿方たちのハートを射止めています。

ウェントリー侯爵: デュランの後ろ盾になっている人物で、帝王のご意見番。娘のマーガレットを溺愛しています。大地の精を祖先に持つとされていて、髪は美しい銀髪。若い頃はかなりの遊び人だったとか!?　帝国のどこかにあるという聖杯を手に入れようとして、クレアと聖杯との関係を疑っています。

マーガレット: ウェントリー侯爵の娘で、彼の子どもの中で唯一銀髪に生まれた美しい少女。優しく落ち着いた性格で、クレアを社交界デビューへと導いてくれます。クレアにとっては姉のような存在で、憧れの人。聖一教会の牧師であるサマセット伯爵にほのかに恋心を抱いているのですが……。

ミセス・ロビンソン: デュランの城のハウスメイド。城の一切を取り仕切っていて、クレアに対しては、厳しいけれど母のように接してくれています。彼女の夫も城にいるらしい（？）のですが、その全容は謎に包まれています。

サマセット伯爵: 帝国の信仰の中心である聖一教会を構成する四大貴族のひとり。父親のあとを引き継ぎ、牧師としてさまざまな救済活動をする聖者として名高い存在です。でもなぜか、クレアがなくしてしまった母の形見を手に入れようとしています。

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