橘高清和（きったか　せいわ）

眞鍋組の若い組長をナメた奴は地獄に落ちた。眞鍋の昇り龍の恐ろしさに気づかないなんて馬鹿だ。 組長の底力と激しさを話したら十日はかかるな。生まれてきたことを後悔したくないから、俺は何があっても組長は敵に回したくはないね。組長自身の実力は言うに及ばず、何か見えない力が働いているような感じがする。運がいいと言ってしまえばそれまでかもしれないが、うちの組長にはそれだけではない何かがありそうだぜ。スポンサーに幸運の女神でもついているんだろうか？　もしかして、死神が組長のスポンサーかもしれない。このままいけば、組長の下で眞鍋はもっと大きくなるんじゃないかな。それにしても、我らが組長、姐（あね）さんに隠れてステーキや焼肉を食うのはどうかと思うぜ？　まだ若いんだし、肉ぐらい堂々と食えばいいだろう。惚れた弱みか、姐さんの尻に敷かれているよな。組長に叩き潰されたヤクザが知ったら顎を外すぜ。

特徴／敵に容赦がないと評判の不夜城の主 得意技／株 弱点／氷川 好きな食べ物／ステーキ・焼肉・しゃぶしゃぶ 備考／姉さん女房のかかあ天下にじっと耐える年下の亭主

氷川諒一（ひかわ　りょういち）

ひたすら真面目に仕事をこなす内科医だが、プライベートではヤクザも真っ青の人間魚雷。 組長が男を嫁さんにすると聞いた時は驚いたが、姐さんを見た瞬間、納得した。あの姐さんだったらそっちの趣味がない男でもその気になる。俺も姐さんだったらＯＫだ。ほかの奴らもみんなそう言っている。姐さんは幼い組長のおむつを替えたせいか、未（いま）だに組長が子供に見えるらしい。今でも姐さんは組長にパンツを穿かせないと気がすまないそうだ。泣く子も黙る眞鍋の昇り龍を猫可愛がりしているのは姐さんだけだと思う。一日何回、逞しい組長に向かって「可愛い」を連発しているのか、一度調べてみたいような気がしないでもない。姐さんに「可愛い」と頬ずりされても、うちの組長は文句ひとつ言わずに耐えているんだろう。せめて、ベッドの上でぐらい組長に勝たせてやってくれねぇかな。

特徴／楚々とした美貌を裏切る核弾頭 得意技／爆発物の製造 弱点／清和 好きな食べ物／茶そば・カニ（好きなくせに高いから食わないそうだ） 備考／眞鍋組最要注意人物

松本力也（まつもと　りきや）

頼りになる男だ。眞鍋の虎だ。虎なくして今日の眞鍋はありえない。 冷静沈着という言葉が一番しっくりくる男だが、ストイックすぎるのも身体に悪いと思うぜ。好きな女のタイプを聞いた俺は無性に虚しくなった。カラオケで甘いラブソングを歌わせてみたいが、恐ろしくて実行に移せない。いや、そもそも、リキがマイクを持った姿を見たことがない。学生時代は剣道と勉強に明け暮れたらしいが、少しぐらい人生を楽しむ余裕を持ったほうがいいと思う。今時、こんな修行僧みたいな男はいないぜ。リキは読書家でお固い本からゆる?い本までまんべんなく読むが、ただ単に情報を手に入れるためだ。成人男性向けのエロ雑誌を眺めているのを見た時はリキも木や石でできていたわけじゃないんだと感動したが、例の如く情報入手のためだった。呆れるほど、徹底している男だ。

特徴／いつでもどこでもポーカーフェイス 得意技／木刀を持たせたら誰も敵わない 弱点／氷川の涙 好きな食べ物／天婦羅・鰻（うなぎ） 備考／鬼神と称えられた高徳護国流の次男坊

宮城 翔（みやぎ　しょう）

血の気が多いなんてモンじゃない。怖いもの知らずの無鉄砲なんてモンでもない。 人間瞬間湯沸かし器みたいなショウには、さんざん手を焼かされた。こいつが今まで無事に生きていることが不思議だし、俺の心臓が止まらなかったことも奇跡だ。女運はあるようでないが、悪運はめっぽう強いのかもしれない。いや、もしかして、ショウは地獄の閻魔様（えんまさま）に嫌われていて、あの世に行くことができないのかもしれないな。とことんタフだ。笑い声の絶えない温かな家庭で育っているが、五人兄弟中、末っ子のショウだけ、ヤンキー街道を突っ走って暴走族で暴れたんだよな。挙句の果て、少年院にブチ込まれた。暴走族時代の狂犬ぶりも凄かったらしいが、頼むから少しぐらい落ち着いてほしい。組長の許可なしに、敵対している暴力団の総本部にバイクで突っ込むのは二度としないでくれ。それも単身で。

特徴／眞鍋組随一の鉄砲玉 得意技／バイクと車の運転 弱点／氷川 好きな食べ物／かつ丼・焼肉・ラーメン 備考／女だったらなんでもいいという女好き

京介（きょうすけ）

社交的で交友関係も広いが、決して心を許さない。さらけだす相手はショウぐらいだ。 その昔、生まれながらの婚約者がいる良家のお嬢様が許されない恋をして妊娠し、子供を産んだ。その子供が京介だ。もちろん、良家のお嬢様は何事もなかったかのように生まれながらの婚約者に嫁いだ。京介は赤の他人に育てられたが、無償の愛を注がれて育ったらしい。でも、優しい育ての親はすでに逝ってしまった。実の両親とは一度も会ったことがないという。京介には常に孤独が付き纏うが、陰惨な影がないのはショウがいたからかもしれないな。ショウと一緒に暴走族で勇名を轟（とどろ）かせたが、京介はヤンキーだったわけではない。暴走族に入ったのはショウに付き合っただけのことだろう。頭は切れるし、腕っ節はゴジラ並み、行動力はあるし、度胸もいい。なんとしてでも眞鍋に欲しいが、なかなか首を縦に振らないので攻略法を思案中。

特徴／カリスマホストとして夢の国の王子様に徹している 得意技／ケンカ 弱点／氷川の涙 好きな食べ物／シュークリームやワッフル、チーズケーキなどの洋菓子（甘党） 備考／京介の実母の生家も嫁ぎ先も凄い

三國 祐（みくに　たすく）

根性が悪いわけではないが、悪知恵が働く。性根が腐っているわけではないが、どこか歪んでいる。 正直、祐に関してはなんて言ったらいいのかわからないが、世の中を斜めから見ているようなフシがある。当然、仁義や義理に縛られていないし、正義や誠意というものは完全に馬鹿にしている。詐欺（さぎ）じゃないとどんなに言い張っても、祐が経営していた芸能プロダクションはタレントの卵を食い物にする詐欺会社だ。タレントの卵に夢を与えているという身勝手な主義の下、祐に良心の呵責はない。祐には弱肉強食が自然に身についている。夢も希望も持っていないような気配があるが、組長には何かを感じて、賭けているのかもしれない。こいつの組長に対する忠誠心は本物だし、安部に対する思いも可愛いもんだ。もしかしたら、根は純粋なのかもしれないな。

特徴／黙って立っていれば白い薔薇を背負った貴公子、そして眞鍋組参謀 得意技／本心を包み隠す優しい笑顔 弱点／氷川の涙・腕力勝負 好きな食べ物／ブイヤベース・ピスタチオ 備考／学生時代はモデルの仕事をしていたがすぐに飽きてやめた

『龍の恋、Ｄｒ.の愛』 定価：本体630円（税別）	『龍の純情、Ｄｒ.の情熱』 定価：本体550円（税別）	『龍の恋情、Ｄｒ.の慕情』 定価：本体580円（税別）
『龍の灼熱、Ｄｒ.の情愛』 定価：本体580円（税別）	『龍の烈火、Ｄｒ.の憂愁』 定価：本体580円（税別）	『龍の求愛、Ｄｒ.の奇襲』 定価：本体580円（税別）