講談社BOOK倶楽部

ホワイトハート新人賞 2018年 選考結果・講評

大賞
該当作品なし
佳作
『朱雀舞う蒼穹は高く ~十の国恋奇譚~』
西野 翠
『鬼タブ! ~鬼嚙んでお仕事~』
高灘浜夢
『鳥籠が開かれるとき』
Lien
  • 「朱雀舞う蒼穹は高く 十の国恋奇譚」
    「朱雀舞う蒼穹は高く
     十の国恋奇譚」
    西野 翠
  • 「鳥籠が開かれるとき」
    「鳥籠が開かれるとき」
    Lien
  • 「東京千鬼 世紀末バディ」
    「東京千鬼 世紀末バディ」
    旧タイトル「鬼タブ! ~鬼嚙んでお仕事~」
    高灘浜夢

講 評

『朱雀舞う蒼穹は高く 
~十の国恋奇譚~』
西野 翠

  • 男装ものの定番という感じで、この作品ならではのオリジナリティに乏しいのが残念です。特に男装がバレるところは、ストーリーのかなり後半まで引っ張っているにもかかわらず、工夫がなくてがっかりしました。また、たとえば容量超えに「キャパオーバー」とルビをふるのは面白い試みではあるのですが、中華の世界観にはなじんでいるとは言えず、空回りしている印象でした。(T)

  • 男装の女子という設定は目新しさがないので、キャラを強くするためにさらなる要素が必要。男勝りというだけでは、濃くはならない。「自分一人で真実にたどり着くのだ」と言っているが、次から次へと現れる高官が皆が親切で主人公の葛藤や成長を感じられない。場所と人の紹介に紙幅を費やしていて、ダレてしまっている。(O)

  • 中華風ファンタジーという点で、読者に好まれやすい要素を満たしている。が、かなり地味な物語である。特に男装女子ヒロインが、男装という定番要素をうまく消化できておらず、設定に描写がついていけていない部分が目についた。物語は破綻していないが波乱もなく、読後の満足感がかなり低い。読者の予想をいい意味で裏切るストーリー展開が欲しい。(H)

  • 主人公であるヒロインが何をしたいのか、何が目的なのか着地点がよくわからないまま進むので、話の展開が平坦で冗長な印象。男装ヒロインという設定とは逆に弱々しい言動が多く、設定や性格など、彼女の魅力を作りこめていないように感じた。(K)

  • 序章で終わってしまったな、という印象。伏線が殆ど放置されてしまっていたのがもったいなかったのと、これから先壮大なストーリーが広がるとしても、1作品でもう少し起承転結というか、山場を作ってほしかったところです。(F)

  • 主人公の仕事場での出来事や家族関係など、書き込む要素はたくさんあるにもかかわらず、小さな世界でまとまりすぎてしまった印象でした。登場人物同士の関係の描き方は伝わってきやすく、感情移入しやすいです。(A)

『鬼タブ! 
~鬼噛んでお仕事~』
高灘浜夢

  • 勢いがある作風で読者を巻き込むのは美点ですが、登場人物が全員、延々と怒鳴り合っているような印象で、物語にもキャラにもメリハリがないため、だんだん飽きてきます。動と静のコントラストを強めにつけることが、物語の面白さやキャラの魅力をくっきりと浮かび上がらせるコツです。(T)

  • キャラも世界観もキチンと描かれており、絵が浮かぶようだった。ただ、キャラの喋り方がどの人も一本調子で差がなく、判別がつきにくい。BL要素は無くて良いので、バディもの、チームものに変えてみては?(O)

  • 最終選考作品の中では、もっとも完成度が高かった作品。文章のテンポがよく、特殊なSF設定、先頭アクションも中だるみなく読みきれた。ときどき文章表現が古いが、それもまた味ではある。BL作品として評価すると、ラブの部分にまったく感情移入できないため、やや厳しい。各キャラクターが素で魅力的なので、あえて男同士の恋愛にまでもっていかなくてもよいかもしれない。(H)

  • 職業もの、バディものとしてのキャラ立てもよく、テンポの速い文章で最後まで一気に読めた。鬼タブなど小物使いも楽しめる。ただ、BL作品としては最後に無理矢理取ってつけた印象。BL作品にするならメイン二人の感情の交差をもっと盛り込んでほしい。(K)

  • ファンタジーものとして面白く読めました。それぞれのキャラのカラーがはっきりしていて、頭に入ってきやすかったです。問題発生から解決までの流れがきれいにまとまっていたように思います。一方で終盤のBL要素については戸惑いが……あるいはない方が良かったかもしれません。ただ終わり方というか、最後の一文は個人的にはグッときました。(F)

  • どの登場人物もキャラクターが立っており、引き込まれました。お仕事小説としても、それぞれの役割・背景・敵の設定がしっかりとしており、テンポよく違和感なく読み進めることができました。脇役の使い方も好印象です。その分、主人公二人の関係性が最後までぼんやりとしたまま進んでしまい、ラストに感情移入しきれなかったのが勿体ない部分だと感じます。(A)

『鳥籠が開かれるとき』
Lien

  • きちんとまとまっていますが、優等生っぽい作品で、全体的に退屈に思えてしまいました。もっと「意外性」を意識して、物語もキャラも考えてみてください。そうすると作品に華やかさが出てきます。丁寧な筆致がそのまま地味さにつながっているので、その殻を破りましょう。(T)

  • 人物描写と構成に工夫があり、好感が持てました。ただし、あまた作られている西洋風ファンタジー作品の中でオリジナリティがあるかといわれれば、もう一歩と言わざるを得ません。(O)

  • たいへん読みやすい話。ただし設定が多少ややこしい割に、キャラクター造形は素直で、素直すぎるが故に面白み欠ける部分があった。大波乱の展開を匂わせるのなら、その期待を上回る「スカッと感」が欲しい。全体にもっとキャラの魅力の深彫りをしていきたいところ。ただし、主人公(ヒロイン)は女性読者が好感をもちやすいタイプなので、評価は高め。(H)

  • 溌剌としたヒロインには好感が持て、物語の土台もしっかりしていて引き込まれる。しかし、皇子とヒロインが惹かれ合う過程が描写不足なので、結末が唐突。脇役キャラが総じてお人好しで終わってしまったので、登場人物全体にもっとクセや魅力がほしい。(K)

  • プロローグに偽りあり、とまでは言いませんが、悪知恵の物語でなかったのは残念でなりません。 ストーリー自体はテンポよく読むことが出来ました。ただ、キャラが悩んでいることは分かってもどのように悩んでいるのかが分からず、感情移入しにくい部分も。心理描写がもう少しあると嬉しかったです。(F)

  • それぞれの登場人物が魅力的ではあるのですが、キャラクターが善良すぎてやや物足りなく感じます。もう一癖あると読者の心に残るキャラクターになるのでは。また、国同士の関係や血の繋がりの設定がややわかりづらく、読むスピードが落ちてしまう部分がありました。(A)

応募作品一覧

  • 「じじいと夏の天使(戦士)たち」
  • 「緋貴線上のヴィクトリア」
  • 「戦場で、花束を」
  • 「キスは魔道士たちを惑わせる」
  • 「陽炎と空蝉の命」
  • 「ブラッド・ハート」

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  • 「嘘つきだらけの晩餐会 ~大怪盗と伯爵令嬢~」
  • 「恋と運命と王子様」
  • 「見捨てられた王女は、お伽噺のように愛される」
  • 「金の歌姫 銀の騎士」
  • 「色彩ウォーロック」
  • 「京都に行きたい」
  • 「B×B×Vampire」
  • 「金と銀の契り 最果てまで」
  • 「茜が咲いたら」
  • 「氷点下の探究」
  • 「チェリとクリスタルの令嬢」
  • 「朱雀舞う蒼穹は高く ~十の国恋奇譚~」
  • 「十八歳で、きみと別れて」
  • 「神様のオレンジ」
  • 「ブラッディ・ネイムズ」
  • 「忘却のコードは恋なれど」
  • 「銀狼の魔法師アンジュ」
  • 「目覚めたら傍にいて」
  • 「森林 温泉 公園 惑星 《 ティアラ 》 の日常」
  • 「Sランクの男は如何でしょうか?」
  • 「神竜の客人」
  • 「大正神酒奇譚」
  • 「咲き匂ひしは落涙と」
  • 「再逢のラプソディア」
  • 「欲情の先にあるもの」
  • 「遅咲き鬱金香の花咲く日」
  • 「優しい雨に空き巣は佇む」
  • 「夕焼けの夢」
  • 「タイム・イズ・タイム/未来の抱擁」
  • 「その物語のはじまりを僕は知らない」
  • 「誠実な嘘、不誠実な愛情」
  • 「フリーデン横川支所の事件録」
  • 「タラッサの歌姫」
  • 「執着の果てに」
  • 「掃除屋」
  • 「渚と涙の海底神殿」
  • 「鬼タブ! ~鬼噛んでお仕事~」
  • 「鳥籠が開かれるとき」
  • 「幸福の箱」
  • 「恋の花ほころぶ」
  • 「風と砂の歌」

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