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ホワイトハート X文庫 | 今月のおすすめ

『大柳国華伝 蕾の花嫁は愛を結ぶ』芝原歌織/著 尚 月地/イラスト 定価:本体600円(税別)

中華風宮廷ラブロマンここに完結!

中華風宮廷ラブロマンここに完結!

大切な人を捜すために後宮入りした暴走娘・春華の華麗なる中華風ラブロマン『大柳国華伝』が、今回発行の第5巻 『大柳国華伝 蕾の花嫁は愛を結ぶ』で完結! これを記念して、シリーズを通して、芝原先生イチオシの見どころポイントを選んでいただきました。執筆当時の制作秘話とあわせてぜひご覧ください。

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芝原先生が選ぶ!『大柳国華伝』ここが見どころパーフェクトガイド

芝原先生が選ぶ「ここが好き!」 お気に入りシーン ベスト3

第3位 華の宴 反逆の舞 静まり返る宮殿に響く涼やかな金属音。それはさながら楽師の奏でる極上の楽曲であるかのよう。最高の舞手が最高の楽曲までをも演出する。春華は流れるような動きで剣を滑(すべ)らせた。(1巻117pより)芝原先生より 春華(しゅんか)が剣舞を披露し、皇后に剣を突きつけるまでの宴のシーン。執筆当時、武侠(ぶきょう)小説や宮廷歴史ドラマにはまっていて、少なからず影響を受けました。第2位 親子の別離 〜皇帝の遺言〜 「……父上……。……嫌です。……いかないで……、どこにも行かないでください……」「儂(わし)は、どこにも行かぬ。この身が果てようと、儂の心は、ずっと、お主の側におるぞ。だから、笑え。ずっと、笑っていてくれ、息子よ」(5巻203pより)芝原先生より好きというより、一番印象に残っているシーンです。私は勤め先で話を閃(ひらめ)くことが多く、この場面も職場で思いついてしまったのですが、涙を堪えるのに必死でした(真面目に仕事しろ)。

第1位蛍火の舞う水辺でキス! 「愛している、春華」 「私も雪(せつ)のことが大好きだ」 水際に隠れていた無数の蛍も一斉に乱舞し、周囲一帯を鮮やかな翡翠(ひすい)の光で彩(いろど)る。池に戯(たわむ)れる鯉と蛍だけが、仲睦まじそうに寄り添う二人の姿を見ていた。(4巻60pより) 芝原先生より 10回あったキスシーンの中で、最もロマンチックな場面ではないかと思っています。表紙のシーンにも選んでいただきました。4巻「暁の華は宮廷に舞う」発行時のおすすめページ掲載の短編「光彩陸離」は表紙ラフを見た瞬間に閃いて書いたものです。

芝原先生が選ぶ「苦労した……!」 産みの苦しみシーン ベスト3

第3位 国を背負う覚悟 「今、親愛なる臣民の前で、この剣にかけて誓う。わたしは次代の皇帝となり、血と泥にまみれた道を先陣に立って切り開く」(4巻230pより) 芝原先生より 雪が皇帝になることを決意する、試練から演説までのシーン。こちらは脱稿して浮かれていた最中、部長様の指摘を受け、数十ページ分書き直したという苦い思い出があります……。 第2位 身分を隠し、春華と雪が街で大奮闘! 「固い絆(きずな)で結ばれた家族や仲間、大切な人を思う心だけはどんなことがあっても消えない。自分の力で見つけ築き上げたものこそが、何物にも代え難(がた)い本当の財産なんだ。(3巻219pより) 芝原先生より 敵(悪代官)に不正を突きつけチャンバラを繰り広げる一連のアクションシーン。「もっと盛り上げて」と何度もリテイクを出され、「水戸黄●」度を増していきました。

第1位 仲間たちの祝福を受けて婚礼へ 「今日の君は特別に綺麗だ」(5巻終章) 芝原先生より 実は入稿直前までこの終章はなかったんです。担当様に「式当日の幸福感を読者の方にもおすそわけしたら?」と提案していただき、五章の後に追加しました。絞り出すのに一番難航したエピソードです。

芝原先生が選ぶ「……あれ?」 勝手にキャラが! シーン ベスト3

第3位 明明最強伝説開幕! 「雷全(らいぜん)、変な真似しようとすれば、わかっているわよねぇ?」「も、もちろんですとも、明明(めいめい)様! わたくしはこれから地面を生涯の伴侶(はんりょ)とします!」(2巻182pより) 芝原先生より 実は怪力だった明明が雷全を拳で従え、足蹴にするシーン。春華といい某ご正妃様といい、気がついたら女性が異様に強いシリーズになっていました……。 第2位 親父コンビのお馬鹿な口喧嘩 「待て! その娘は息子の花嫁となる女子(おなご)じゃ。勝手なことは許さぬぞ!」「だぁれが嫁にやると言った! 梅饅頭(うめまんじゅう)を馬鹿にする貴様のような味音痴(あじおんち)の元へ、俺の大事な娘をやれるか! この腐れ昆布じじいが!」 芝原先生より 皇帝と天有(てんゆう)が春華の結婚(と梅饅頭と昆布)を巡って喧嘩するシーン。顔を合わせると勝手に喧嘩を繰り広げてしまう二人。くだらなすぎる……と思いつつ、書くのがとても楽しかったです。

第1位 妓楼からお姫様抱っこで奪還! 「わたしの妻となる女性を妓楼などで働かせてもらっては困るな」(3巻93pより) 芝原先生より 雪が兄皇子に黄金像を投げて気絶させ、春華を奪い去っていくシーン。基本的に雪は勝手に嫉妬→溺愛の方向に動いてしまいます。関係者からはストーカーっぽいとか散々な言われようです(笑)。

読者の皆様へ 『大柳国華伝』を読んでくださった皆様、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました。このシリーズは長い間苦楽を共にしてきたとても思い入れのある作品で、こうして無事シリーズ本編を終えられたこと、大変嬉しく思っています。本編の方はすっきり完結、となりましたが、実は今スピンオフを執筆していたりします。皆様に楽しんでいただけるような作品を届けられるようがんばってまいりますので、これからもどうぞよろしくお願いします。春華たちの紡ぐ物語を最後まで見届けていただけたら幸いです。 芝原歌織

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大好評発売中 『大柳国華伝』シリーズ 芝原歌織/著 尚 月地/イラスト

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