STORY
それは、久遠と和孝の物語が《始まる前》の物語
2008年。木島組の組員になる前の久遠彰允(くどうあきまさ)は、留学生としてオックスフォード大学で学んでいた。
異国での日々を静かに過ごしたい久遠だったが、そんなささやかな願いは、 同じ大学に通うディディエ・マルソーの登場によって脆くも崩れ去る。
自由奔放で常に学生たちの注目の的であるディディエに懐かれた久遠は、不本意ながらこの「押しかけ友人」と寮で同居生活を始めることに。
「僕は出会った瞬間、ピンときたな。この出会いは運命的だって」
初対面から距離感ゼロで久遠を辟易とさせるディディエだったが……そこから現在に至るまで、二人の交流は続くことになる。
現在の時間軸と、過去の記憶の中の事件とを行き来しながら、 腐れ縁の友人との交流を通して久遠が思うこととは? これまで明かされることがなかった「すべてが始まる前=ゼロの物語」――VIP最新作、ここに登場!
著者からみなさまへ
こんにちは。高岡(たかおか)です。本作は、久遠とディディエの出会い編になります。 出会いは留学先の英国、それぞれ20歳と21歳という年齢ですが、目玉はなんといっても沖(おき)先生の描かれた若いふたりのイラストでしょうか。 ふたりが並ぶときっと注目の的だったにちがいありません。 もちろん現代の和孝(かずたか)とのラブもありますので、『電子オリジナル VIP 0 記憶の座標』、なにとぞよろしくお願いします。